年頭所感
年頭のご挨拶
日本鍍金材料協同組合
理事長 倉田 裕理子
新年明けましておめでとうございます。
平素は、日本鍍金材料協同組合ならびに組合員に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
一年前、新型コロナウイルス感染拡大の第3波の最中に2021年を迎えました。年頭に緊急事態宣言が発令された後に第4波、第5波と続き、首都圏は一年の半分以上が緊急事態宣言下という厳しい年でありましたが、その一方で、ワクチン接種の加速度的な実施や、新たな治療薬の登場など、今はこちらにも打つ手がある、という状況に明るい光を感じることができるようになった年でもありました。
基本的な感染対策を継続しつつ、経済活動を再開させて迎えた2022年。日本においては、オミクロン株による第6波が懸念されており、ものづくり業界には、半導体をはじめとした部品調達難といった様々な供給制約や原油価格の高騰などが、生産活動に大きな影を落としている状況です。殊に昨年の自動車製造の減産は表面処理分野においても多大な影響が生じております。第6波が出来る限り小さな波に抑え込まれ、2022年が回復、さらなる成長の年となることを期待したいと思います。
昨夏、人々の胸に暮らしや先行きへの不安感が募るなか、米国メジャーリーグの舞台において投打の二刀流で清々しいほどの大活躍を魅せてくれたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手には、心が沸き立つ思いがいたしました。2021年のMVP(最優秀選手)を満票で受賞しましたが、それを称えるコメントには、成績もさることながら、グラウンド内外での立ち居振る舞いに触れたものが多いことも印象的でした。フィールドのゴミを拾う、バットを拾ってボールボーイに渡すといった彼の「人間性」にも多くの人が魅了されたのでした。
そしてもう一人、活躍を称えられた人物がいます。大谷選手がMVPを受賞した後、エンゼルスが公式SNSにおいて、大谷選手に帯同する通訳の水原一平氏を「MVI(最優秀通訳)として表彰する!」と粋な投稿をしたのでした。通訳として、選手が求めるものを理解し、チームをよりよくするために力を尽くし、活躍を支える、その真摯な姿はしっかりと評価されていました。これは、日本のものづくりを支える“縁の下の力持ち”である、めっきをはじめとした表面技術にもあてはまる姿だと言えるのではないでしょうか。それぞれのお客様にとっての「最優秀」であることを目指し、業界一丸となって弛まぬ努力を続けて参りたいと思います。
当組合主催の展示会「SURTECH2022 表面技術要素展」は1月下旬から、リアル展示(ブース出展)とオンライン展示を組み合わせた“ハイブリッド形式”にて開催の運びとなっております。前回の「SURTECH2021」は、コロナ禍中に会場・会期を変更しての開催という異例づくしとなりましたが、今年は例年通りの時期に、例年通りの会場に戻ってまいります。しかしながら、ただ元に戻っただけではなく、ウィズコロナの時代においても、ビジネスマッチングの場として最大限活用していただける展示会として進化し続けております。“表面処理・表面改質・表面硬化など幅広い産業分野に対応した表面技術の総合展示会”という場を、新たな手法での商談機会獲得、成果発表、新規顧客開拓、関係強化など、多種多面にお役立てていただければ幸甚です。
ただ元通りではなく、新たな社会へ。仕事も暮らしも新たなステージへと押し上げる2022年にして参りましょう。
末筆になりますが、皆様方にとって新しい年が佳き年となりますようご祈念申し上げるとともに、日本鍍金材料協同組合ならびに組合員に対しましても、変わらぬご指導、ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。